【緊急】COVID-19新規感染者数急増に伴う透析施設での感染対策の徹底について(お願い)
日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会
新型コロナウイルス感染対合同委員会
委 員 長 菊 地 勘
副委員長 山川 智之
副委員長 竜崎 崇和
副委員長 南学 正臣
平素より当会の運営にご協力いただきありがとうございます。 全国での急速なCOVID-19新規感染者の増加に伴い、透析患者における新規感染者数も急速に増加しております。7月31日に142人でしたが、8月14日には189人と、この2週間で47人もの患者が発生して、発生のスピードがこれまでの5倍近くになっており、数か所の施設で集団感染事例が報告されております。COVID-19透析患者は全例入院の対象となりますので、主要都市を中心に入院病床がひっ迫しております。維持透析施設においては、以下の感染対策の徹底、再確認をよろしくお願いいたします。
患者教育の徹底
患者には、毎日の体温測定と健康状態の把握を指示してください。発熱や咳、嘔吐や下痢などの症状がある場合は、来院前に透析施設に必ず電話連絡するように指導してください。院内に感染症を持ち込まないことが極めて重要です。また、常時マスクを着用することなどの協力を依頼する必要があります。 いまだに政府による緊急事態宣言は発出されておりませんが、不要不急の外出や旅行は控えるようにお願いしてください。
なお、令和2年4月10日に日本透析医会作成の「帰省や旅行など都道府県をまたいだ移動自粛のお願いと透析施設における注意点」を参照ください。引用URL1)
医療従事者への注意
毎日の体温測定と健康状態の把握を行い、発熱や体調不良のある医療従事者は出勤を停止して、十分な経過観察を行ってください。常にマスクを着用し、診療のたびに手指衛生の徹底をお願いします。また、スタッフ自身が感染源とならないように、院内でも院外でも「3つの密(密閉、密集、密接)」が同時に重なる場を徹底して避けてください。食堂や休憩室で、マスクをはずして飲食をする場合、他の従事者と一定の距離を保ち、極力マスク無しでの会話を控えてください。また、無症状の職員もいることから、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) を使用するなど、職員の健康観察には十分に注意してください。
COVID-19疑い患者への感染対策の徹底
COVID-19が疑われ抗原検査やPCR検査の対象となった場合でも、検査結果の報告までに数日かかる地域があります。COVID-19疑い患者においても、結果報告があるまでの1~2回程度、自施設で透析を施行する必要があります。透析施行の際には、日本透析医会作成の「新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について」引用URL2)を参考に、空間的あるいは時間的隔離を行い、感染対策の徹底をお願いします。
なお、抗原検査やPCR検査の陽性が判明した場合、症状の有無にかかわらず、透析患者は入院の対象となります。
個人防護具の着用と環境表面の清掃・消毒の徹底
透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン」引用URL3)では、平時より穿刺や返血などの手技は、ディスポーザブルガウンまたはプラスチックエプロン、サージカルマスク、ゴーグルあるいはフェイスシールドを着用すること、透析室での器具の清掃および環境表面の消毒には、0.05~0.1%次亜塩素酸ナトリウム、ペルオキソ 一硫酸水素カリウム配合剤、アルコール系消毒薬のいずれかを使用すること、が推奨されています。 透析室では平時の感染対策を遵守することが、COVID-19への感染対策にも繋がりますので、徹底をお願いします。
なお、患者のCOVID-19が判明した場合、発症2日前より濃厚接触となります。個人防護具の適切な着用が、濃厚接触者とならないために非常に重要です。
COVID-19の透析室における感染予防策につきましては、日本透析医会作成の「新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について(第4報改訂版) ~まん延期における透析施設での具体的な感染対策~」引用URL2))をご参照ください。
各施設におかれましては、今一度、感染体策の見直しおよび徹底をよろしくお願いいたします。
引用URL:(令和2年8月14日に確認)
1.帰省や旅行など都道府県をまたいだ移動自粛のお願いと透析施設における注意点
(令和 2 年 4 月 10 日)
http://www.tous
2.新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について(第4報改訂版)
~まん延期における透析施設での具体的な感染対策~
http://www.tous
3.透析施設における標準的な透析操作と 感染予防に関するガイドライン (五訂版)
http://www.tous